日本EAP協会の概要

日本EAP協会は、EAPサービスを行う内部、外部EAP専門家のための協会で、EAPプロフェッショナルを育成するために各種の研修会、セミナーを開催しております。
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EAPとは
EAPとはEmployee Assistance Program(従業員援助プログラム)と呼ばれる米国生まれの職場のメンタルヘルスサービスで、企業が自社内部で設置する場合と、外部のEAP会社にアウトソースして社員の悩み相談に対応する場合とがある。
米国ではフォーチュントップ500の90%の企業がEAPを導入し、EAP会社の数も12,000社を上回るといわれている。
企業にとってはコスト削減に役立ち、社員も外部なら相談しやすいというメリットがある。
また、職場のメンタルヘルスの基本である治療よりも予防に力をいれ、社員が働きやすい職場をつくることで生産性を上げようとするものである。 EAPの具体的な活動内容については、「EAPガイドライン」の項を参照。 米国EAPA(Employee Assistance Professional Association)は本部がバージニア州アーリントンにあり、全米で7000名の会員が加盟している。
世界8ヶ国を含む103支部で構成されている。
設立は1971年。
日本EAP協会の目的
1. 専門的関心、専門性の開発
2. トレーニングプログラムの開発
3. 従業員援助プログラムの維持
4. 地域資源についての意見交換


これらを通して日本独自のEAPのあるべき姿を探求する。 将来は米国EAP協会の認定資格であるCEAP(Certified Employee Assistance Professional:認定EAP専門家)資格の発行を検討。
日本EAP協会設立の背景
厳しい経済環境と日本型雇用制度の変革期にあり、社員の心理負担は増大している。
平成9年度の労働省調査によるとサラリーマンの74.5%がこころの疲れを訴えている。
平成10年度の自殺件数は3万件を越え(以降14年間継続)、うつ病の通院・入院患者数も増加している。
こうした中で、政府も平成12年に「心の健康づくり指針(旧版)」、平成18年「心の健康づくり指針(新指針)」を策定し、労災認定基準の見直しがなされている。
これらの状況は、経営者・従業員・国としての施策 すべてが働く人の生産性向上のためのメンタルヘルスの重要性を認識されてきていることを示している。
主な活動経緯
1998年 8月 設立会議
1998年 10月 定例会議 各社の取り組み報告会
1999年 2月 米国EAP専門家による基礎セミナー(2日間)
1999年 6月 「セクハラ防止」(セミナー)
1999年 11月 「CISM 危機的出来事におけるストレスマネジメント」(セミナー)
2000年 9月 第1回EAP東京大会 ならびに EAPセミナ−(大正大学)
2000年 12月 第2回EAPセミナ−(産業精神保健学会研修セミナ−:杏林大学)
2001年 2月 第3回EAPセミナ−(産業精神保健学会研修セミナ−:ル−クホ−ル)
2001年 6月 第4回EAPセミナ−(産業精神保健学会研修セミナ−:杏林大学)
2002年 7月 13・14日 第3回日本EAP協会総会と第2回EAPA地域会議
2002年 8月 15日 第3回EAPセミナー(杏林大学)Joe Marshall 氏
「メンタルヘルスにおける危機介入−CISM」
2002年 12月 15日 第4回EAPセミナー「ビヘイビア・リスク・マネジメント」
講師:クレッグ・ミルズ氏(モトローラ社)
日本の現状
●米国系企業を中心にEAPを設置する企業は増加
●大手企業の健康管理センターを内部型EAPととらえることもできる
●EAPと称する専門会社は少数だが、米国EAP企業の日本支社ができたり、病院がEAPに乗り出したりと増加の傾向