国際EAP学会(EAPA)
によるEAPの定義


Employee Assistance Program (EAP)

EAP Core Technology

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Employee Assistance ProgramまたはEAPは以下の2点を援助するために作られた
職場を基盤としたプログラムである。

1.職場組織が生産性に関連する問題を提議する。

2.社員であるクライアントが健康、結婚、家族、家計、アルコール、ドラッグ、法律、情緒、
ストレス等の仕事上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題を見つけ、解決する。

EAP Core Technology
コア・テクノロジーはEmployee Assistance(EA)専門家の重要な諸技能である。全部で8つある。

1.組織のリーダー(管理職、組合員、人事)等への問題を抱える社員の管理、職場環境の向上、
社員のパフォーマンスの向上に関するコンサルテーション、トレーニング、援助。
および社員とその家族へのEAPサービスに関する啓蒙活動。

2.個人的な問題によって社員のパフォーマンスが落ちないように、社員への秘密厳守で迅速な問題発見/
アセスメント・サービスの提供。

3.パフォーマンスに影響を与えている個人的な問題を持つ社員へ建設的コンフロンテーション、動機づけ、
短期介入的アプローチを通して、個人的な問題とパフォーマンス問題の関係に気付かせること。

4.社員を医学的診断、治療、援助のための内部または外部機関にリファーし、ケースをモニターし、
フォローアップを行うこと。

5.治療等のサービスのプロバイダーとの効果的な関係を確立、維持するための組織へのコンサルテーション、
およびプロバイダー契約の管理および運営。

6.組織にコンサルテーションを行って、アルコール問題、物質乱用、精神的、心理的障害などの医学的、
行動的問題に対する治療を医療保険の中に含み、社員が利用するように働きかけること。

7.組織や個人のパフォーマンスへのEAPの効果を確認すること。

8.EAPサービスの効果評価

エンプロイー・アシスタンス・プログラムの基準およびプロフェッショナル・ガイドライン
1998年1月EAPA/日本語版 By K.Ichikawa 1998年9月19日作成
 
 
 

EAPA規準および
EAP専門家のための
ガイドライン〈要約版〉


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以下に提供される文章はEAPA規準およびEAP専門家のためのガイドラインの要約版である。
完全版では、必須および推奨されるプログラムの構成部分についての、包括的で詳細な情報を提供している。
完全版には、それぞれの規準となるプログラムを提供した場合に、達成が予定されるべき効果についての情報も含まれている。
またさまざまな種類の労働環境で、このような規準がどのように達成可能であるかを示す、多種多様なサンプルも提供されている。 EAPAは、全てのEAP専門家と、EAP※を備えた全ての企業が、この規準の完全版を入手されるように推奨する。完全版は従業員援助カウンセラー協会資源センターより入手可能である。

完全版(訳者注:英語版)はEAP協会資源センターより入手可能である。
センターの住所は 2101 Wilson Boulevard, Suite 500,Arlington, VA 22201 、
電話番号は 703-522-6272 内線307、
ファックス番号は 703-522-4585、
E−メールアドレスはeaprescen@aol.com である。頒価は一部10ドル。まとまった数の注文には割り引きもある。
(訳者:注 完全版の日本語版についてのお問い合わせ先は日本EAP協会事務局 neap@ks.kyorin-u.ac.jp まで)

I.EAPプログラムのデザイン

A.ニーズの査定
プログラムのデザインは、組織および従業員のニーズの調査に基づいて行われるものとする。

B. 助言の機能
組織内に助言のための手続きを作り、全ての重要な就労部門の代表者に参加させるものとする。

C. サービス提供のシステム
EAPの提供するサービスは、誤解や見逃されることのない、明瞭なシステムを通じて提供されるものとする。  

D. 追加的なサービス
EAPの従事者は、常に緊急の必要に注意を払いながら、新たなサービスがEAPの本質と矛盾せず、それを補完する性質である場合、そのサービスを追加してもかまわない。

E. 組織におけるEAPの方針の声明
EAPを実施する組織は、EAPの方針を文書によって採択するものとする。またこの方針文書は、EAPの組織に対する関係を定め、秘密保持の手段を記述し、またプログラムの行うサービスの範囲と限界を明言するものとする。

F. 実施計画
実施計画は、完全に機能するEAPを確立するために、必要となる活動を概説し、このような活動が実施されるまでの時間表を設定して、それを実施するものとする。

II.運営・管理

A. EAPの管理・運営手続き
文書化されたEAPの管理・運営手続きを、組織のニーズ、プログラムの目標、およびEAPの方針声明に基づいて作成するものとする。

B. 人員配置の水準
公告された目的と、EAPが目指す目標が達成可能となるような、十分な数のEAP専門家を配置するものとする。

C. スタッフおよび提携先についての規準
EAPは、その任務を遂行するに足る資格を備えた専門家を確保するものとする。

D. 提携先の管理
EAPは、全ての提携先が、その方針と手続き、ならびにEAPにおける自らの役割に伴う責任を理解し、受け入れていることを確認するものとする。

E. EAPに関するコンサルテーションとスーパービジョン
相談者に対するサービスを提供している全てのEAP専門家は、ケースに関するコンサルテーションおよび/またはスーパービジョンを受けなければならない。

F. 専門家としての自己研修
EAP専門家の、知識水準を維持向上させる努力を、EAPは援助するものとする。

G. 記録の保持
EAPは相談者の記録を作成、保管するものとする。その記録には、EAPの供給システム、組織の方針、プログラムの手順および該当する法律の求めるところを含めるものとする。

H. 危機管理
EAPは全ての合理的な予防措置を取り、責任を取るべき危険の度合いを軽減するものとする。

I. 倫理
EAPは全てのEAPスタッフに対して、EAP倫理コードを遵守するよう求めるものとする。

III.秘密保持および擁護権に与える規制的影響
EAPは、秘密保持に関する方針を文書化して準備しておくものとする。またこの文書には、専門家としての規範と倫理を反映させ、秘密の保持に関する全ての限界を明らかにするものとする。
IV.EAPによる直接のサービス
注:EAPによる直接のサービスの対象となるものは、次の3つのグループとする。
a) 従業員ならびにその家族と認められる者
b) 組織のリーダー
c) 組織全体A.EAPの管理・運営手続き

A. 問題の確認・アセスメントとリファー
EAPはクライアントの抱える問題を確認しアセスメントを行い、適切な行動プランを作成し、必要な場合には、問題解決に適した手段を推薦したり、適切な援助を行う機関へ紹介するものとする。

B. 危険への介入
EAPは従業員、その家族、および組織の直面する危険に対し、機敏な介入措置をとるするものとする。

C. 短期的問題解決法
EAPは、問題解決のための短期的措置をいつ行うか、また専門家や地方自治体の提供する手段への紹介をいつ行うかを決めるための手続きを定めるものとする。

D. モニターリングおよびフォローアップ・サービス
EAPは適正なフォローアップ・サービスと、クライアントの進展についてのモニターが行われるように保証する方法を定めるものとする。

E. 組織のリーダーのトレーニング
EAPは、プログラムの目的や手続きならびに、プログラムに関する組織のリーダーの役割を理解し、意思疎通を図るために、組織のリーダーをトレーニングするサービスを提供するものとする。

F. 組織のリーダーへのコンサルテーション
EAPは組織のリーダーに対し、業務成績や行動および医療上の問題を抱える従業員を、EAPへマネージメント・リファーすることに関してコンサルテーションを提供する。 

G. 組織に関するコンサルティング
EAPは、従業員の心身の健康に強い影響を与える可能性のある問題、施策、日常業務および慣例についての相談に応じるものとする。

H. プログラムの推進と教育
EAPは、従業員、その家族と認められる者、および組織のリーダーが、プログラムを躊躇なく利用できるような雰囲気を醸成するために、プログラムを発展向上させ、広報資料の作成や広報行事を行うものとする。

V.Drug Free Workplace(薬物のない職場施策)/薬物乱用者への専門的サービス

A. Drug Free Workplace(薬物のない職場)
EAPは、薬物のない職場を実現しそれを保持するための方針や手続き、プログラムを組織が企画、実践する活動を支援するものとする。

B. SAP(薬物乱用)の直接サービス
薬物乱用対策の専門家(SAP)としての役割を遂行するEAP専門家は、薬物検査に関する運輸省規則に精通し、その特殊運営機関の代行資格を保持して、これら規則に従ってサービスを提供するものとする。

 VI.重要な提携関係

A. 組織内部の活動
EAPは、重役会に対して効率的な意思疎通が可能であり、また重役会に影響力を行使できる立場を占めるものとする。

B. 統合的EAPとマネージド・ケア
EAPは、その組織に医療サービスを提供しているマネージド・ケア制度と協力して、両者の関係を確立し、両者の重要な役割と責任を正確に文書化するものとする。

C. 外部の公共組織および資源
EAPは従業員、扶養家族、および組織に対してその生活の質の向上を支援する、医療ケア等のサービスやその他の公共のサービスの給付について、EAPはそれらを見つけ、活用し、たえずそれらへの評価を行うものとする。

D. 外部の機関
EAPは、プログラムに影響を与える外部団体の活動について常に意識を働かせるものとする。ここで言う外部団体とは、監督省庁、立法機関、法廷、圧力団体、業界、学術機関などである。

EAPA基準およびEAP専門家のためのガイドライン。 Employee Assistance Professionals Association(EAPA) 1997年4月。